SBARとは
病院のコミュニケーション手法で、SBAR(エスバー)というのがあります。
SBARとは
病院は命に関わる現場ですから、情報を正確に伝えて、相手に迅速に行動してもらわなければなりません。
そのために、
- S:Situation(状況):今、何が起きているのか
- B:Background(背景):その状況に至った背景や関連情報
- A:Assessment(評価・判断):状況やデータから、何が問題だと自分が考えているか
- R:Recommendation / Request(提案・依頼):相手にどうしてほしいのか(処置の指示など)
この順番で話をするのです。
例えば:
- S(状況):「A病棟の佐藤です。6号室の村田さんの血圧が80/60mmHgまで低下し、意識が少し朦朧としています。」
- B(背景):「現在、肺炎で入院5日目です。」
- A(評価):「呼吸数も増えており、ショック状態、または感染症の悪化が疑われます。」
- R(提案):「至急診察をお願いできますでしょうか。」
とういう具合です。
大事なのは、状況を迅速に簡潔に伝えて、自分の判断と、相手にどうして欲しいと思っているかもしっかりと伝えることです。
SBARはビジネスにも使える!
これを、先週、建設業の経営者の方に紹介したところ、「早速やってみる」と喜んでくれました。
建設現場も危険と隣り合わせ。
それに、情報のミスは、経費や納期にも影響します。
正確な情報の伝達は重要ですね。
SBARの目的
でも、実はこのSBARの目的は、情報の正確な伝達だけではないのです。
よく経営者の方が社員に期待することとして「自分で考えて動ける人になって欲しい」と言われます。
「今日、佐藤さんが風邪をひいてお休みするそうです。」
と言われると、
「で?」
と聞き返さないといけない。
「あなたはどう思ってて、どうしたいの?」
って感じです。
SBARの手法を身に付けると、
「今日、佐藤さんが風邪でお休みするそうです。
今日は私と一緒に秋田市の現場に行く予定でした。
佐藤さんが欠けると期日までに終わらない可能性があります。
代わりに田中さんに来てもらいたいのですが。」
と伝えることができます。
このSBARでコミュニケーションを取るように練習すれば、迅速に状況を伝えるだけでなく、自分がどう判断するのか、相手にどうしてもらいたいのかを考えないといけないので、プロとしての判断力が育つし、連絡がスムーズにできますよね。
SBARの「A」が一番難しい。
社長が欲しいのも、この「自分はどう考えるのか」の部分だとは思うのですが、従業員にとっては難しいですよね。
「自分の考えは正しいのか?」と思ってしまいます。
それに「これは果たして社長が期待する答えなのだろうか?」と思ってしまうこともあります。
自信が無いからなかなか言えません。
だから、社長は「正解を求めてるんじゃない、いろんな考え方があるから、それを聞きたいんだ。」と伝える必要があります。
SBARのさらなるメリット
これから機械化やIT化、AI化が進んでいくと、人は機械にやって欲しいことを伝える必要が出てきます。
人なら現場が見えるし一人一人の癖もわかりますから何も言わなくても「察する」ということをしてくれます。
でも機械は、「これをやって欲しい」と正確に言わなければやってくれません。
自分の考えの言語化が、ますます重要になってきます。
社内の人とのコミュニケーションをスムーズにできるようになることは、今後必要となる機械とのコミュニケーションにも役立ちます。
SBARは、情報が迅速に正確に伝わることだけじゃなく、社員の判断力や言語化能力を鍛えるツールでもあるんですね。